1.デザインルールの設定
基板メーカーが提示する製造ルールを満たすデザインルールをKicadに設定します。
今回の基板は2層基板としました。部品面(表)と半田面(裏)から構成されます。
PCB EditorのDesign Rulesより
Gobal Design Rulesを設定します。
大雑把な設定ですが、パターンの最小幅を0.2mm、ビア(スルーホール)をドリル径 直径0.5mm、ランド径を0.9mmとします。
ビアは表面に走ってる配線を裏面に配線する、縦のパターンのようなものです。
基板を貫通しているので貫通スルーホールとか言ったりもします。
ドリル径に対してランド径が小さいとビア切れを起したりするので注意です。
下記のように設定してください。
あわせてNet Classも設定します。
ネットリストを出力したように、各配線はネット名で管理されますがそのネットごとに配線幅などが指定できます。そうするとそのネットの配線をしようとしたときに自動的にパターン幅などを変更してくれます。もちろん手動でパターン幅を変えることできます。
大切なのはClearanceです。そのパターンと他のネットのパターンや部品などとの間隔を定義します。基本は配線幅に合わせればいいのですが、ノイズの多いパターンなどはクリアランス値を大きくしたりして”逃げてくれる”ようにします。
2.基板外形の作成
今回作る基板寸法は下図になります。
注意点として単位がmmではなくmil(みる)になります。
1milは1000分の1 inchとなり、1milは0.0254mmです。
つまり下図の長手方向は2700milですが、mmに換算すると
68.58mmです。
PCB Editorでの作業に移ります。
下図のような枠を作ります。
1)左端にあるボタンのInボタンを押してインチ径のグリッドに切り替えます。
2)画面上部にあるリストボックスからグリッドサイズを適宜変更します。
3)右端にあるレイヤーから外形を定義するレイヤーである Edge Cutsレイヤーを選択します。
4)Add Graphic Lineボタンボタンで線を引いて2700mil × 2100milの枠を描いてください。
(カーソル位置でスペースキーを押すとウインドウ下部に表示される座標値が0にリセットされるため相対的にラインを引いたり、部品を置くとき重宝します)
5)Eco1.userというコメント用レイヤーを選択します
6)Add Demensionアイコンを押して下図のように寸法線を描いてください。
3.禁止領域の設定
基板製造においては基板端の処理は気をつけないといけません。
基板メーカーの製造ルールに基板端から1mmはパターン禁止(ベタも!)とか書かれているはずです。
今回の基板は端1mmを禁止領域としてパターンやビアが作成できないように設定します。
Add Keep out areaボタンを押して、部品面(Fcuレイヤ)、半田面(Bcuレイヤ)にそれぞれ領域を作成します。Keepout OptionsはNo Copper Pourにもチェックを入れてください。
また、今回はインチ系の座標で作業をしているため1mmキッカリとはできません。
40milで作ってください。
おつかれさまでした。